SCP (1)

OpenSSH-5.1p1 日本語マニュアルページ (2008/10/03)


名前

scp
安全なファイルコピー (リモート ファイルコピー プログラム)

書式

scp [-1246BCpqrv ] [-c 暗号方式 ] [-F ssh設定ファイル ] [-i identityファイル ] [-l 帯域制限 ] [-o ssh設定項目 ] [-P ポート番号 ] [-S プログラム ] [ [ユーザ @] ホスト1 :] ファイル1 ... [ [ユーザ @] ホスト2 :] ファイル2

説明

scp はネットワーク上のホスト間でファイルをコピーします。これはデータ転送にssh (1) を使い、これと同様の認証をおこないます。これによって、ssh (1) と同様のセキュリティを提供します。rcp (1) とは違って、scp は認証に必要な場合、パスワードまたはパスフレーズを尋ねてきます。

各ファイル名には、ホストおよびユーザの指定を含めることができます。これはそのファイルがどのホストから、あるいはどのホストにコピーされるかを指定するものです。ローカルなファイル名は、 `:' を含む名前をscp がホスト指定と混同しないように、絶対パス名または相対パス名を使ってください。2つのリモートホスト間でファイルコピーすることもできます。

オプションは次のとおりです:

-1
scp がプロトコル バージョン 1 を使うよう強制します。

-2
scp がプロトコル バージョン 2 を使うよう強制します。

-4
scp が IPv4 アドレスのみを使うよう強制します。

-6
scp が IPv6 アドレスのみを使うよう強制します。

-B
バッチ処理モード (パスワードやパスフレーズを尋ねないようにします)。

-C
通信を圧縮します。ssh (1)-C フラグを渡して圧縮を許可します。

-c 暗号方式
データ転送に使う暗号方式を選択します。このオプションは直接ssh (1) に渡されます。

-F ssh設定ファイル
ssh に対して別のユーザ設定ファイルを指定します。このオプションは直接ssh (1) に渡されます。

-i identityファイル
公開鍵認証用の秘密鍵を読むファイルを選択します。このオプションは直接ssh (1) に渡されます。

-l limit
使われるネットワーク帯域を制限します。Kbit/s で指定します。

-o ssh設定項目
設定ファイルssh_config (5) で使われている形式のオプションをssh に渡すために使います。これはscp のコマンドラインオプションからは直接指定できない項目を指定するときに便利です。以下のオプションの詳細と、これらがとりうる値についてはssh_config (5) を参照してください。

AddressFamily

BatchMode

BindAddress

ChallengeResponseAuthentication

CheckHostIP

Cipher

Ciphers

Compression

CompressionLevel

ConnectionAttempts

ConnectTimeout

ControlMaster

ControlPath

GlobalKnownHostsFile

GSSAPIAuthentication

GSSAPIDelegateCredentials

HashKnownHosts

Host

HostbasedAuthentication

HostKeyAlgorithms

HostKeyAlias

HostName

IdentityFile

IdentitiesOnly

KbdInteractiveDevices

LogLevel

MACs

NoHostAuthenticationForLocalhost

NumberOfPasswordPrompts

PasswordAuthentication

Port

PreferredAuthentications

Protocol

ProxyCommand

PubkeyAuthentication

RekeyLimit

RhostsRSAAuthentication

RSAAuthentication

SendEnv

ServerAliveInterval

ServerAliveCountMax

SmartcardDevice

StrictHostKeyChecking

TCPKeepAlive

UsePrivilegedPort

User

UserKnownHostsFile

VerifyHostKeyDNS

-P ポート番号
リモートホストに接続するポート番号を指定します。このオプションは大文字の `P' であることに注意してください。これは小文字の-p が、時刻やパーミッションを保つオプションとしてrcp (1) によってすでに使われているためです。

-p
コピー元ファイルの最終修正時刻、最終アクセス時刻、およびパーミッションを保つようにします。

-q
沈黙モード。ssh (1) が進行状況を表すメータや警告および診断メッセージを表示しないようにします。

-r
ディレクトリ全体を再帰的にコピーします。scp は遭遇したシンボリック・リンクを追いますので注意してください。

-S プログラム
暗号化された接続のために使うプログラム の名前を指定します。このプログラムはssh (1) のオプションが使用できなくてはいけません。

-v
冗長表示モード。scpssh (1) が進行中のデバッグメッセージを表示するようにします。これは接続や認証、設定の問題などをデバッグするときに役立ちます。


関連項目

rcp (1), sftp (1), ssh (1), ssh-add (1), ssh-agent (1), ssh-keygen (1), ssh_config (5), sshd (8)

歴史

scp は、カリフォルニア州立大学評議会 (the Regents of the University ofCalifornia) による BSD ソースコードのrcp (1) を基にしています。

作者

TimoRinne<tri@iki.fi>
TatuYlonen<ylo@cs.hut.fi>