10.1 オブジェクトをヒープ上にメモリ確保する

PyObject* _PyObject_New(PyTypeObject *type)
戻り値: 新たな参照.

PyVarObject* _PyObject_NewVar(PyTypeObject *type, int size)
戻り値: 新たな参照.

void _PyObject_Del(PyObject *op)

PyObject* PyObject_Init(PyObject *op, PyTypeObject *type)
戻り値: 借りた参照.
新たにメモリ確保されたオブジェクト op に対し、型と初期状態での 参照 (initial reference) を初期化します。 初期化されたオブジェクトを返します。type からそのオブジェクトが 循環参照ガベージ検出の機能を有する場合、検出機構が監視対象とする オブジェクトのセットに追加されます。 オブジェクトの他のフィールドには影響を及ぼしません。

PyVarObject* PyObject_InitVar(PyVarObject *op, PyTypeObject *type, int size)
PyObject_Init() の全ての処理を行い、可変サイズオブジェクト の場合には長さ情報も初期化します。

TYPEPyObject_New(TYPE, PyTypeObject *type)
戻り値: 新たな参照.
C 構造体型 TYPE と Python 型オブジェクト type を使って 新たな Python オブジェクトをメモリ確保します。 Python オブジェクトヘッダで定義されていないフィールドは初期化されません; オブジェクトの参照カウントは 1 になります。メモリ確保のサイズは 型オブジェクトの tp_basicsize で決定します。

TYPEPyObject_NewVar(TYPE, PyTypeObject *type, int size)
戻り値: 新たな参照.
C 構造体型 TYPE と Python 型オブジェクト type を使って 新たな Python オブジェクトをメモリ確保します。 Python オブジェクトヘッダで定義されていないフィールドは初期化されません。 確保されたメモリは、TYPE 構造体に加え、vartype の tp_itemsize フィールドで指定されているサイズ中の size フィールドを 収容できます。この関数は、例えばタプルのように生成時にサイズを決定 できるオブジェクトを実装する際に便利です。一連の複数のフィールドに 対するアロケーション操作を一つにして埋め込むと、アロケーション回数 が減り、メモリ管理の処理効率が向上します。

void PyObject_Del(PyObject *op)
PyObject_New()PyObject_NewVar() で 確保されたメモリを解放します。この関数は、通常オブジェクトの型に 指定されている tp_dealloc ハンドラ内で呼び出します。 この関数を呼び出した後では、オブジェクトのメモリ領域はもはや有効な Python オブジェクトを表現してはいないので、オブジェクトのフィールド に対してアクセスしてはなりません。

TYPEPyObject_NEW(TYPE, PyTypeObject *type)
戻り値: 新たな参照.
安全性と引き換えにパフォーマンスを高めるためのPyObject_New() のマクロ版です。 typeNULL かどうかチェックしません。

TYPEPyObject_NEW_VAR(TYPE, PyTypeObject *type, int size)
戻り値: 新たな参照.
安全性と引き換えにパフォーマンスを高めるためのPyObject_NewVar() のマクロ版です。 typeNULL かどうかチェックしません。

void PyObject_DEL(PyObject *op)
PyObject_Del()のマクロ版です。

PyObject* Py_InitModule(char *name, PyMethodDef *methods)
戻り値: 借りた参照.
name と関数のテーブルに基づいて新たなモジュールオブジェクトを 生成し、生成されたモジュールオブジェクトを返します。 バージョン 2.3 で 変更 された仕様: 以前のバージョンの Python では、methods 引数の 値としてNULL をサポートしていませんでした

PyObject* Py_InitModule3(char *name, PyMethodDef *methods, char *doc)
戻り値: 借りた参照.
name と関数のテーブルに基づいて新たなモジュールオブジェクトを 生成し、生成されたモジュールオブジェクトを返します。 docNULLでない場合、モジュールの docstring として 使われます。 バージョン 2.3 で 変更 された仕様: 以前のバージョンの Python では、methods 引数の 値としてNULL をサポートしていませんでした

PyObject* Py_InitModule4(char *name, PyMethodDef *methods, char *doc, PyObject *self, int apiver)
戻り値: 借りた参照.
name と関数のテーブルに基づいて新たなモジュールオブジェクトを 生成し、生成されたモジュールオブジェクトを返します。 docNULLでない場合、モジュールの docstring として 使われます。selfNULLでない場合、モジュール内の各関数 の第一引数として渡されます (NULLの時には第一引数も NULLになります)。 (この関数は実験的な機能のために追加されたもので、現在の Python の バージョンで使われてはいないはずです。) apiver に渡してよい値は、 PYTHON_API_VERSION で定義されている定数だけです。

注意: この関数のほとんどの用途は、代わりにPy_InitModule3() を使えるはずです; 本当にこの関数を使いたいときにだけ利用してください バージョン 2.3 で 変更 された仕様: 以前のバージョンの Python では、methods 引数の 値としてNULL をサポートしていませんでした

DL_IMPORT

PyObject _Py_NoneStruct
Python からは None に見えるオブジェクトです。この値への アクセスは、このオブジェクトへのポインタを評価するPy_None マクロを使わねばなりません。

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