8 画像の取り込み

Python の標準ドキュメントは、図や画像を全く使っていません; これは 意図的にそうしているのです。ドキュメントのフォーマットを行う際に 利用する外部ツールが、まだ画像をうまく扱えるほどではなかったからです。 ツールの進歩やメンテナによる改善にともなって、画像に対するサポートも 改善されてきました。

mkhowto スクリプトから起動される内部ツールは、画像を 直接サポートしているわけではありませんが、mkhowto が 外部ツールによるグラフィクスのサポートを妨げることはありません。

こうしたツールと howtomanual ドキュメントクラス を使ったグラフィクスの利用はまだ広く行われてはいませんが、うまく 動作することは知られています。基本的には、以下のようにアプローチ します:

  1. 好きなアプリケーションで、画像や図版を作成します。

  2. 出力したい形式に合わせて、画像の形式を変換します。 HTML または PostScript を生成したければ、画像や図版は encapsulated PostScript (EPS, .eps ファイル) 形式に変換します; LaTeX2HTML は EPS ファイルを .gif ファイルに変換できます; .gif ファイルを直接指定してもかまいません。 PDF を (pdflatex で) 生成したいなら、 ``カプセル化 (encapsulated)'' PDF ファイルが必要です。Linux や Unix向けに配布されているteTeX についてくるepstopdf を使えば、EPS ファイルから変換できます。

  3. ドキュメント内で、グラフィクスをサポートするためのパッケージ graphicx を ``import'' するための行を以下のようにして追加します:

    \usepackage{graphicx}
    

  4. 図版や画像を取り込みたい場所で、以下のようなマークアップを 行います:

    \begin{figure}
      \centering
      \includegraphics[width=5in]{myimage}
      \caption{myimage の説明}
    \end{figure}
    

    \includegraphics マクロにはファイルの拡張子を指定しないので 注意してください。もし特定の形式のドキュメントしか生成したくないの なら、拡張子をつけてもかまいませんが、複数の形式をサポートしたければ 拡張子を省略しておいたほうが楽です。

  5. mkhowto を通常通りに走らせます。

make の機能をサポートするようなシステムで作業を行っているな ら、画像の変換の際に生じる中間ファイルを最新に保つようにできます。 下の例では、 dia で作成した図を取り込んでいるような ドキュメントをフォーマットするための Makefile を示しています:

default: pdf
all:     html pdf ps

html:   mydoc/mydoc.html
pdf:    mydoc.pdf
ps:     mydoc.ps

mydoc/mydoc.html:  mydoc.tex mygraphic.eps
        mkhowto --html $<

mydoc.pdf:  mydoc.tex mygraphic.pdf
        mkhowto --pdf $<

mydoc.ps:   mydoc.tex mygraphic.eps
        mkhowto --postscript $<

.SUFFIXES: .dia .eps .pdf

.dia.eps:
        dia --nosplash --export $@ $<

.eps.pdf:
        epstopdf $<

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