1. 導入

このリファレンスマニュアルは、Python プログラミング言語自体に関する 記述です。チュートリアルとして書かれたものではありません。

私は本マニュアルをできるだけ正確に書こうとする一方で、文法や 字句解析以外の全てについて、形式化された仕様記述ではなく英語を 使うことにしました。そうすることで、このドキュメントが平均的な 読者にとってより読みやすくなっているはずですが、ややあいまいな 部分も残っていることでしょう。 従って、もし読者のあなたが火星から来ている人で、このドキュメントだけ から Python を再度実装しようとしているのなら、色々と推測しなければ ならないことがあり、実際にはおそらく全く別の言語を実装する羽目に なるでしょう。 逆に、あなたが Python を利用しており、Python 言語のある特定の領域に おいて、厳密な規則が何か疑問に思った場合、その答えはこのドキュメント で確実に見つけられることでしょう。

もしより形式化された言語定義をお望みなら、あなたの時間を提供して いただいてかまいません -- もしくは、クローン生成装置でも発明して ください :-) 。

実装に関する詳細を言語リファレンスのドキュメントに載せすぎるのは 危険なことです -- 実装は変更されるかもしれず、同じ言語でも異なる 実装は異なった動作をするかもしれないからです。一方、広く使われている Python 実装は現在のところ唯一 (今や第二の実装が存在しますが!) なので、 特定のクセについては、特に実装によって何らかの制限が加えられている 場合には、触れておく価値があります。従って、このテキスト全体にわたって 短い ``実装に関する注釈 (imprementation notes)'' がちりばめられて います。

Python 実装はいずれも、数々の組み込みモジュールと標準モジュールが 付属します。これらはここではドキュメント化されていませんが、 Python ライブラリリファレンス でドキュメント化されています。いくつかの組み込みモジュールについて は、言語定義と重要なかかわりをもっているときについて触れています。



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