distutils.sysconfig モジュールでは、 Python の低水準の
設定情報へのアクセス手段を提供しています。
どの設定情報変数にアクセスできるかは、プラットフォームと設定自体に
大きく左右されます。また、特定の変数は、使っている Python の
バージョンに対するビルドプロセスに左右されます; こうした変数は、
Unix システムでは、Makefile や Python と一緒にインストール
される設定ヘッダから探し出されます。
設定ファイルのヘッダは、2.2 以降のバージョンでは
pyconfig.h 、それ以前のバージョンでは config.h
です。
他にも、distutils パッケージの別の部分を操作
する上で便利な関数がいくつか提供されています。
- PREFIX
-
os.path.normpath(sys.prefix)
の結果です。
- EXEC_PREFIX
-
os.path.normpath(sys.exec_prefix)
の結果です。
-
ある一つの設定変数に対する値を返します。
get_config_vars().get(name)
と同じです。
-
定義されている変数のセットを返します。引数を指定しなければ、
設定変数名を変数の値に対応付けるマップ型を返します。
引数を指定する場合、引数の各値は文字列でなければならず、戻り値は
引数に関連付けられた各設定変数の値からなるシーケンスになります。
引数に指定した名前の設定変数に値がない場合、その変数値には
None
が入ります。
-
設定ヘッダのフルパス名を返します。 Unixの場合、このヘッダファイルは
configure スクリプトによって生成されるヘッダファイル名です;
他のプラットフォームでは、ヘッダは Python ソース配布物中で直接
与えられています。ファイルはプラットフォーム固有のテキストファイル
です。
-
Python をビルドする際に用いる Makefile のフルパスを返します。
Unixの場合、このファイルは configure スクリプトによって
生成されます; 他のプラットフォームでは、この関数の返す値の
意味は様々です。有意なファイル名を返す場合、ファイルは
プラットフォーム固有のテキストファイル形式です。
この関数は POSIX プラットフォームでのみ有用です。
get_python_inc( |
[plat_specific[, prefix]]) |
-
C インクルードファイルディレクトリについて、一般的なディレクトリ名か、
プラットフォーム依存のディレクトリ名のいずれかを返します。
plat_specific が真であれば、プラットフォーム依存の
インクルードディレクトリ名を返します; plat_specific が偽か、
省略された場合には、プラットフォームに依存しないディレクトリを
返します。 prefix が指定されていれば、PREFIX
の代わりに用いられます。また、 plat_specific が真の場合、
EXEC_PREFIX の代わりに用いられます。
get_python_lib( |
[plat_specific[,
standard_lib[, prefix]]]) |
-
ライブラリディレクトリについて、一般的なディレクトリ名か、
プラットフォーム依存のディレクトリ名のいずれかを返します。
plat_specific が真であれば、プラットフォーム依存の
ライブラリディレクトリ名を返します; plat_specific が偽か、
省略された場合には、プラットフォームに依存しないディレクトリを
返します。prefix が指定されていれば、PREFIX
の代わりに用いられます。また、 plat_specific が真の場合、
EXEC_PREFIX の代わりに用いられます。
standard_lib が真であれば、サードパーティ製の拡張モジュール
をインストールするディレクトリの代わりに、標準ライブラリのディレクトリ
を返します。
以下の関数は、distutils パッケージ内の使用だけを
前提にしています。
customize_compiler( |
compiler) |
-
distutils.ccompiler.CCompiler インスタンスに対して、
プラットフォーム固有のカスタマイズを行います。
この関数は現在のところ、Unix だけで必要ですが、将来の互換性を
考慮して一貫して常に呼び出されます。この関数は様々な Unix の
変種ごとに異なる情報や、Python のMakefile に書かれた情報
をインスタンスに挿入します。この情報には、選択されたコンパイラや
コンパイラ/リンカのオプション、そして共有オブジェクトを扱うために
リンカに指定する拡張子が含まれます。
この関数はもっと特殊用途向けで、Python 自体のビルドプロセスで
しか使われません。
-
distutils.sysconfig モジュールに、モジュールが Python の
ビルドプロセスの一部として使われることを知らせます。これによって、
ファイルコピー先を示す相対位置が大幅に変更され、インストール済みの
Python ではなく、ビルド作業領域にファイルが置かれるようになります。
リリース 2.5 ,19th September, 2006 更新
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