上で述べたように、 Distutils 設定ファイルを使えば、任意の Distutils オプションに対して個人的な設定やサイト全体の設定を 記録できます。すなわち、任意のコマンドの任意のオプションを 二つか三つ (プラットフォームによって異なります) の 設定ファイルに保存でき、コマンドラインを解釈する前にオプションを 問い合わせさせるようにできます。 つまり、設定ファイルはデフォルトの値を上書きし、さらにコマンドライン 上で与えた値が設定ファイルの内容を上書きするわけです。 さらに、複数の設定ファイルが適用されると、``先に'' 適用された ファイルに指定されていた値は ``後に'' 適用されたファイル内の 値で上書きされます。
設定ファイルの名前と場所は、非常にわずかですがプラットフォーム間で 異なります。Unixでは、三種類の設定ファイルは以下のようになります (処理される順に並んでいます):
設定ファイルのタイプ | 場所とファイル名 | 注記 |
---|---|---|
system | prefix/lib/pythonver/distutils/distutils.cfg | (1) |
personal | $HOME/.pydistutils.cfg | (2) |
local | setup.cfg | (3) |
Windows では設定ファイルは以下のようになります:
設定ファイルのタイプ | 場所とファイル名 | 注記 |
---|---|---|
system | prefix\Lib\distutils\distutils.cfg | (4) |
personal | %HOME%\pydistutils.cfg | (5) |
local | setup.cfg | (3) |
Mac OS では以下のようになります:
設定ファイルのタイプ | 場所とファイル名 | 注記 |
---|---|---|
system | prefix:Lib:distutils:distutils.cfg | (6) |
personal | N/A | |
local | setup.cfg | (3) |
注記:
Distutils 設定ファイルは、全て同じ構文をしています。
設定ファイルはセクションでグループ分けされています。
各 Distutils コマンドごとにセクションがあり、それに加えて
全てのコマンドに影響するグローバルオプションを設定するための
global
セクションがあります。各セクションには
option=value
の形で、一行あたり一つのオプションを指定します。
例えば、以下は全てのコマンドに対してデフォルトでメッセージを出さない よう強制するための完全な設定ファイルです:
[global] verbose=0
以下のようにして、デフォルトの ``ビルドベース'' ディレクトリを
オーバライドしたり、build*
コマンドが常に強制的にリビルドを
行うようにもできます:
[build] build-base=blib force=1
python setup.py build --build-base=blib --force
build
コマンドを含めて、そのコマンドを実行するよう意味しているところが
違います。
特定のコマンドに対するオプションを設定ファイルに含めると、
このような関連付けの必要はなくなります;
あるコマンドが実行されると、そのコマンドに対するオプションが適用
されます。
(また、設定ファイル内からオプションを取得するような他のコマンドを
実行した場合、それらのコマンドもまた設定ファイル内の対応するオプション
の値を使います。)
あるコマンドに対するオプションの完全なリストは、 例えば以下のように、--help を使って調べます:
python setup.py build --help
python setup.py --help
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