26.13 fpectl -- 浮動小数点例外の制御

Unixプラットフォームで利用できます。

ほとんどのコンピュータはいわゆるIEEE-754標準に準拠した浮動小数点演算を実行します。実際のどんなコンピュータでも、浮動小数点演算が普通の浮動小数点数では表せない結果になることがあります。例えば、次を試してください。

>>> import math
>>> math.exp(1000)
inf
>>> math.exp(1000) / math.exp(1000)
nan

(上の例は多くのプラットホームで動作します。DEC Alphaは例外かもしれません。) "Inf"は"infinity(無限)"を意味するIEEE-754における特殊な非数値の値で、"nan"は"not a number(数ではない)"を意味します。ここで留意すべき点は、その計算を行うようにPythonに求めたときに非数値の結果以外に特別なことは何も起きないというです。事実、それはIEEE-754標準に規定されたデフォルトのふるまいで、それで良ければここで読むのを止めてください。

いくつかの環境では、誤った演算がなされたところで例外を発生し、処理を止めることがより良いでしょう。fpectlモジュールはそんな状況で使うためのものです。いくつかのハードウェア製造メーカーの浮動小数点ユニットを制御できるようにします。つまり、IEEE-754例外Division by Zero、OverflowあるいはInvalid Operationが起きたときはいつでもSIGFPEが生成させるように、ユーザが切り替えられるようにします。あなたのpythonシステムを構成しているCコードの中へ挿入される一組のラッパーマクロと協力して、SIGFPEは捕捉され、Python FloatingPointError例外へ変換されます。

fpectlモジュールは次の関数を定義しています。また、所定の例外を発生します:

turnon_sigfpe( )
SIGFPEを生成するように切り替え、適切なシグナルハンドラを設定します。

turnoff_sigfpe( )
浮動小数点例外のデフォルトの処理に再設定します。

exception FloatingPointError
turnon_sigfpe()が実行された後に、IEEE-754例外であるDivision by Zero、OverflowまたはInvalid operationの一つを発生する浮動小数点演算は、次にこの標準Python例外を発生します。



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