この本は非常にさまざまな背景を持った人々にとって有用であることを 目的としています— つまりバージョン管理についてまったく経験のない人から、経験を 積んだシステム管理者までのすべての人たちです。どのような知識を既に持っているか に応じて、特定の章が何らかの意味で重要になるでしょう。以下はさまざまな読者層 ごとの「おすすめの読み方」と考えてください。
あなたはおそらく既に CVS を利用したことがあり、とっとと Subversion を ダウンロードしてサーバを立ち上げたいのでしょう。章 5. リポジトリの管理 と 章 6. サーバの設定を読めばどのよう にして最初のリポジトリを作り、ネットワーク越しに利用できるようになるかが わかるでしょう。それが済んだら章 3. 同伴ツアー と 付録 A. CVSユーザのためのSubversion をものにするのが CVS 経験者と してのあなたが Subversion クライアントを理解するのに一番早い方法です。
あなたの管理者は多分もうSubversion を設定しているはずで、あなたに 必要なのはどうやって Subversion クライアントを利用するかを理解する ことだけです。CVS を利用した経験がないのなら(あるいはバージョン管理 システムなどといったものを一度も使ったことがないのなら)、 章 2. 基本概念 と 章 3. 同伴ツアー は粋な とっかかりになります。既に CVS を使ったことがあるので あれば第3章と補遺A から始めるのが最良でしょう。
ユーザであれ管理者であれ、最終的にはあなたのプロジェクトは大きくなって いくでしょう。そして Subversion のより進んだ機能を理解したくなるはず です。たとえばブランチ化とマージ(章 4. ブランチとマージ)、 メタデータの設定と実行時オプションの設定(章 7. より進んだ話題)、 などなどです。このふたつの章は最初はピンとこないかも知れません が、基本的なことを理解した後でぜひ読んでみてください。
おそらくあなたは既に Subversion になじんでいて、どうやってそれを拡張するか、 あるいは Subversion のたくさんある API を使ってどうやって新しいソフトウェア を作るかに興味があるでしょう。章 8. 開発者の情報はまさにそんな人に うってつけです。
この本のしめくくりはリファレンス情報です—章 9. Subversion リファレンスは、 すべてのSubversionコマンドのリファレンスガイドと、いろいろな役に立つトピック に関する補足情報です。この本全体を一度読み終えたあとで戻ってくる のはきっとこの章でしょう。