7.3.2.1 MaildirMessage

クラス MaildirMessage( [message])
Maildir 固有の動作をするメッセージ。引数 messageMessage のコンストラクタと同じ意味を持ちます。

通常、メールユーザエージェントは new サブディレクトリにある全ての メッセージをユーザが最初にメールボックスを開くか閉じるかした後で cur サブディレクトリに移動し、メッセージが実際に読まれたかどうかを記録します。 cur にある各メッセージには状態情報を保存するファイル名に付け加えられた "info" セクションがあります。(メールリーダの中には "info" セクションを new にあるメッセージに付けることもあります。) "info" セクションには二つの形式があります。 一つは "2," の後に標準化されたフラグのリストを付けたもの (たとえば "2,FR")、 もう一つは "1," の後にいわゆる実験的情報を付け加えるものです。 Maildir の標準的なフラグは以下の通りです:

フラグ 意味 説明
D ドラフト(Draft) 作成中
F フラグ付き(Flagged) 重要とされたもの
P 通過(Passed) 転送、再送またはバウンス
R 返答済み(Replied) 返答されたもの
S 既読(Seen) 読んだもの
T ごみ(Trashed) 削除予定とされたもの

MaildirMessage インスタンスは以下のメソッドを提供します。

get_subdir( )
"new" (メッセージが new サブディレクトリに保存されるべき場合)または "cur" (メッセージが cur サブディレクトリに保存されるべき場合)のどちらかを 返します。注意: メッセージは通常メールボックスがアクセスされた後、 メッセージが読まれたかどうかに関わらず new から cur に移動されます。 メッセージ msg"S" not in msg.get_flags()True ならば読まれています。

set_subdir( subdir)
メッセージが保存されるべきサブディレクトリをセットします。パラメータ subdir は "new" または "cur" のいずれかでなければなりません。

get_flags( )
現在セットされているフラグを特定する文字列を返します。メッセージが標準 Maildir 形式に 準拠しているならば、結果はアルファベット順に並べられたゼロまたは1回の "D"、 "F"、"P"、"R"、"S"、"T" をつなげたものです。空文字列が返されるのはフラグが一つもない場合、または "info" が実験的セマンティクスを使っている場合です。

set_flags( flags)
flags で指定されたフラグをセットし、他のフラグは下ろします。

add_flag( flag)
flags で指定されたフラグをセットしますが他のフラグは変えません。 一度に二つ以上のフラグをセットすることは、flag に2文字以上の文字列を 指定すればできます。現在の "info" はフラグの代わりに実験的情報を使っていても 上書きされます。

remove_flag( flag)
flags で指定されたフラグを下ろしますが他のフラグは変えません。 一度に二つ以上のフラグを取り除くことは、flag に2文字以上の文字列を 指定すればできます。"info" がフラグの代わりに実験的情報を使っている場合は 現在の "info" は書き換えられません。

get_date( )
メッセージの配送日時をエポックからの秒数を表わす浮動小数点数で返します。

set_date( date)
メッセージの配送日時を date にセットします。date は エポックからの秒数を表わす浮動小数点数です。

get_info( )
メッセージの "info" を含む文字列を返します。このメソッドは実験的 (即ちフラグの リストでない) "info" にアクセスし、また変更するのに役立ちます。

set_info( info)
"info" に文字列 info をセットします。

MaildirMessage インスタンスが mboxMessageMMDFMessage のインスタンスに基づいて生成されるとき、Status: および X-Status: ヘッダは省かれ以下の変換が行われます:

結果の状態 mboxMessage または MMDFMessage の状態
"cur" サブディレクトリ O フラグ
F フラグ F フラグ
R フラグ A フラグ
S フラグ R フラグ
T フラグ D フラグ

MaildirMessage インスタンスが MHMessage インスタンスに 基づいて生成されるとき、以下の変換が行われます:

結果の状態 MHMessage の状態
"cur" サブディレクトリ "unseen" シーケンス
"cur" サブディレクトリおよび S フラグ "unseen" シーケンス無し
F フラグ "flagged" シーケンス
R フラグ "replied" シーケンス

MaildirMessage インスタンスが BabylMessage インスタンスに 基づいて生成されるとき、以下の変換が行われます:

結果の状態 BabylMessage の状態
"cur" サブディレクトリ "unseen" ラベル
"cur" サブディレクトリおよび S フラグ "unseen" ラベル無し
P フラグ "forwarded" または "resent" ラベル
R フラグ "answered" ラベル
T フラグ "deleted" ラベル

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