よくある作業のひとつは、メッセージオブジェクト構造から フラットな電子メールテキストを生成することです。この作業は smtplib や nntplib モジュールを使って メッセージを送信したり、メッセージをコンソールに出力したりするときに 必要になります。あるメッセージオブジェクト構造をとってきて、 そこからフラットなテキスト文書を生成するのは Generator クラスの仕事です。
繰り返しになりますが、email.parser モジュールと同じく、 この機能は既存の Generator だけに限られるわけではありません。 これらはご自身でゼロから作りあげることもできます。しかし、 既存のジェネレータはほとんどの電子メールを標準に沿ったやり方で 生成する方法を知っていますし、MIME メッセージも非 MIME メッセージも 扱えます。さらにこれはフラットなテキストから Parser クラスを使って メッセージ構造に変換し、それをまたフラットなテキストに戻しても、 結果が冪等 7.3 になるよう設計されています。
email.generatorモジュールからインポートされる Generator クラスで公開されているメソッドには、以下のようなもの があります:
outfp[, mangle_from_[, maxheaderlen]]) |
オプション引数 mangle_from_ はフラグで、True
のときは
メッセージ本体に現れる行頭のすべての "From " という文字列の最初に
">" という文字を追加します。これは、このような行が Unix の
mailbox 形式のエンペローブヘッダ区切り文字列として誤認識されるのを防ぐための、
移植性ある唯一の方法です (詳しくは
WHY THE CONTENT-LENGTH FORMAT IS BAD (なぜ Content-Length 形式が有害か)
を参照してください)。デフォルトでは mangle_from_ は True
になっていますが、
Unix の mailbox 形式ファイルに出力しないのならば
これは False
に設定してもかまいません。
オプション引数 maxheaderlen は連続していないヘッダの最大長を 指定します。ひとつのヘッダ行が maxheaderlen (これは文字数です、 tab は空白 8文字に展開されます) よりも長い場合、ヘッダは email.header.Header クラスで定義されているように途中で 折り返され、間にはセミコロンが挿入されます。 もしセミコロンが見つからない場合、そのヘッダは放置されます。 ヘッダの折り返しを禁止するにはこの値にゼロを指定してください。 デフォルトは 78 文字で、RFC 2822 で推奨されている (ですが強制ではありません) 値です。
これ以外のパブリックな Generator メソッドは以下のとおりです:
msg[, unixfrom]) |
オプション引数 unixfrom は、基点となるメッセージオブジェクトの
最初の RFC 2822 ヘッダが現れる前に、エンペローブヘッダ区切り文字列を
出力することを強制するフラグです。そのメッセージオブジェクトが
エンペローブヘッダをもたない場合、標準的なエンペローブヘッダが自動的に
作成されます。デフォルトではこの値は False
に設定されており、
エンペローブヘッダ区切り文字列は出力されません。
注意: 各 subpart に関しては、エンペローブヘッダは出力されません。
バージョン 2.2.2 で 新たに追加 された仕様です。
fp) |
バージョン 2.2.2 で 新たに追加 された仕様です。
s) |
ユーザの便宜をはかるため、メソッド Message.as_string() と
str(aMessage)
(つまり Message.__str__() のことです) をつかえば
メッセージオブジェクトを特定の書式でフォーマットされた文字列に簡単に変換することができます。
詳細は email.message を参照してください。
email.generator モジュールはひとつの派生クラスも提供しています。 これは DecodedGenerator と呼ばれるもので、Generator 基底クラスと 似ていますが、非text型の subpart を特定の書式でフォーマットされた 表現形式で置きかえるところが違っています。
outfp[, mangle_from_[, maxheaderlen[, fmt]]]) |
このクラスは Generator から派生したもので、 メッセージの subpart をすべて渡り歩きます。subpart の主形式が text だった場合、これはその subpart のペイロードを デコードして出力します。オプション引数 _mangle_from_ および maxheaderlen の意味は基底クラス Generator のそれと同じです。
Subpart の主形式が text ではない場合、オプション引数 fmt がそのメッセージペイロードのかわりのフォーマット文字列として使われます。 fmt は "%(keyword)s" のような形式を展開し、 以下のキーワードを認識します:
type
- 非text型 subpart の MIME 形式
maintype
- 非text型 subpart の MIME 主形式 (maintype)
subtype
- 非text型 subpart の MIME 副形式 (subtype)
filename
- 非text型 subpart のファイル名
description
- 非text型 subpart につけられた説明文字列
encoding
- 非text型 subpart の Content-transfer-encoding
fmt のデフォルト値は None
です。
こうすると以下の形式で出力します:
[Non-text (%(type)s) part of message omitted, filename %(filename)s]
バージョン 2.2.2 で 新たに追加 された仕様です。
バージョン 2.5 で 変更 された仕様: 以前の非推奨メソッド __call__() は削除されま した。